お茶にまつわる”ある場所”
山口茶業本社のある山口県は梅雨が明け、段々と本格的な暑さになってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は、皆様に「お茶」にまつわる“ある場所”をご紹介させていただきます。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、その“ある場所”とは…
京都市右京区の栂尾山(とがのおさん)の山中に佇む寺院「高山寺」(こうさんじ)です。
京都でお茶というと「宇治」が真っ先に思い浮かぶ方は少なくないかもしれません。
ですが、実は京都市内にもお茶の歴史を感じることのできる、知る人ぞ知る場所があります。
それが「高山寺」なのです。
では早速、高山寺についてお話ししていこうと思います。
「高山寺は京都市右京区栂尾(とがのお)にある古刹である。創建は奈良時代に遡るともいわれ、その後、神護寺の別院であったのが、建永元年(1206)明恵上人が後鳥羽上皇よりその寺域を賜り、名を高山寺として再興した。」
※古刹(こさつ)…古寺ともいう。古くから存在する由緒あるお寺のこと。
京都には世界遺産が数多く存在しますが、高山寺もその一つです。
また、高山寺には様々な国宝や重要文化財がありますが、一般によく周知されているのは「鳥獣戯画」ではないでしょうか。
現在高山寺にあるのはレプリカで、現物は東京国立博物館に保管されているそうです。
そんな高山寺なのですが、実は「日本最古の茶園」が現存する場所でもあるのです。
臨済宗の開祖である栄西禅師(ようさい/えいさい)が宋から持ち帰った茶の実が、高山寺の僧である明恵上人(みょうえしょうにん)に贈られました。
お茶には、修行の妨げとなる眠りを覚ます効果があったため、明恵上人は衆僧たちに積極的に飲茶を勧めたといわれています。
こんな言葉が刻まれた石も…「飲酒許さず」、でしょうか。
また、高山寺には「遺香庵」という茶室があります。
これは明恵上人の700年遠忌に際して、建立されたそうです。※平時は非公開です。
高山寺 石水院では四季折々の季節を楽しむことができます。
(写真は3年前の初秋頃に撮影したものです。)
(写真は2年前の12月末頃に撮影したものです。)
縁側に座ると、日々の喧騒は一時忘れて穏やかな気持ちで栂尾山の美しい自然を目一杯感じることができます。
境内の奥まで進み、様々な建造物を見た後にお茶とお菓子を頂きました。
泡がきめ細かく、濃厚でとても味わい深いお抹茶でした。
帰り際に、鳥獣戯画の湯呑みを発見。ついつい購入してしまいました。
この湯呑みで毎日小野茶を飲んでいます。
湯呑みは可愛い、お茶は美味しい…大満足です!
前回は宇部市の小野にある西日本最大面積の「藤河内茶園」、今回は茶園繋がりで「高山寺」をご紹介させていただきました。
いかがでしたでしょうか。
情勢が落ち着きましたらぜひ訪れてみてください。
それでは、次回更新をお楽しみに。