第二回目:小野茶「釜炒り茶」開発秘話-先代の想いが詰まった釜炒り茶
いつも山口茶業の小野茶をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
第二回目は「釜炒り茶」という商品についてご紹介させていただきます。
◆釜炒り茶の製品化に至るまで
そもそも、釜炒り茶の製品化を考えたのは先代の社長が福岡県八女市で八女茶の技術指導をしていた頃…
本格的な鉄釜による釜炒り茶に魅力を感じていたようで、山口県に移住してからも釜炒り茶の製品化をよく口にしていました。
ですが、実現することは叶わず、私にもそのことがずっと心残りでありました。
社長業を引き継いだ後、先代がそれほど望んでいた釜炒り茶を何とか私が実現したい!と思い、釜炒り茶の製品化を決意しました。
本格的に釜炒り茶を作るための活動を始めたのは、6次産業化法による総合化事業計画の認定を受けてからのことです。
釜炒り茶製茶工場の装備を整え、2~3年前から栽培が放棄されている茶畑を茶農家から借り受けて約2ヘクタール整備して生産を始めました。
釜炒り茶を製品化するうえでの栽培の条件として
・農薬を散布しないこと
・化学肥料を使用せず有機的な肥料を与えて茶樹を育てること
この2つを基本条件にすることとしました。
商品として美味しいことはもちろんですが、品質や安全性も備えたこだわりの釜炒り茶をつくるために、厳しい基準を設けてチャレンジしました。
実際にできあがった釜炒り茶はたいへん魅力的なものでした。
蒸し茶とは全く違う風味で、一度この味を知っていただけたらきっとファンになっていただける!と確信いたしました。
◆釜炒り茶の製造過程
摘採期(5月、6月、9~10月)に茶葉を摘み、委託して造った鉄釜3台で製造にあたります。
釜炒り茶は鉄釜に摘んだばかりの生葉を入れて、茶葉の自然発酵を高熱によって止めるという製造法をとります。
この製造法は、水蒸気をまったく使わない、純然たる鉄釜の火力のみによるものです。
-鉄釜で生葉を炒っている様子
-揉捻機と呼ばれる機械で炒った葉を揉んでいる様子
釜炒り茶は、生葉を焦げ付かないように回しながら高熱で炒っていくため、茶葉が丸まって勾玉状になります。
そして、炒る過程で葉の中心部に若干渋み(シュウ酸カルシウム)が残ります。
この渋みは、お茶を入れたときに嫌な味になるものではありません。月日が経っていくにつれ、少しずつ渋みが薄れていくのです。
1年も経てば渋みはかなり少なくなり、2年経つ頃には更に薄れ、味わいがより深まります。
こうした状況から、釜炒り茶は1年もの、2年ものとしてビンテージがつき、付加価値が加わります。
蒸し茶では味わうことのできない、釜炒り茶特有の面白い現象です。
◆釜炒り茶について
釜炒り茶の特徴としては黄色みがかった山吹色の水色と、他に類をみない郷愁を感じさせる華やかで芳ばしい風味が挙げられます。
これには小野地区の土質が関係しています。
小野地区の土質は真砂と赤土の混合した酸性土壌であるため、お茶の味わいを高める渋みと苦みを浸出させ、赤土の効果で甘みも強く濃厚な味にしてくれます。
また、生活習慣病向け健康茶で大変人気の「13種爽麗糖減茶」は、9~10月摘んだ釜炒り茶をブレンドしていますが、その効果には目を見張るものがあります。
他の野草の気になる臭いを吸収してとても飲みやすい味にしてくれるため、釜炒り茶は健康茶の中でも大きな役割を果たしてくれています。
釜炒り茶単品の風味と、ブレンドしたときに釜炒り茶が及ぼす影響は、糖減茶にとって必須の存在であるといえます。
◆釜炒り茶製造の現状
釜炒り茶の製造過程では同一の釜を3回繰り返し使うのですが、一回の茶葉の量は生葉にして3kg程度しか釜に投入できないため、とても手間がかかり、非生産的なところがあります。
そのためか、年代とともに釜炒り茶は廃れていきました。
今となっては、水蒸気をまったく使わずに純然たる鉄釜の火力で釜炒り茶を製造しているのは、全国でも宮﨑県と山口県の2か所だけになっています。
無農薬で栽培した希少な釜炒り茶をぜひ一度、ご賞味いただけると幸せます。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回は「釜炒り茶」の開発秘話でございました。
次回もお楽しみに。
◆「ご紹介の商品」
※商品名をクリックすると各商品ページをご覧いただけます。
■小野茶「釜炒り茶」 50g
■小野茶「釜炒り茶」 100g
■小野茶「釜炒り茶」 2g20包 ティーパック
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